まわりのアメリカ 2月

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2月1日(日)おもちゃの話題が続きますが,最近日本に持って帰るつもりで,おもちゃをいろいろ買い込んでいて,ついでに電池もよく買います。電池の値段はたぶん日本とそれほど変わらないような気がしますが,おもちゃを買う時一緒に電池も買うとリベート2ドルなんていうのがあるので,気をつけるようにしています。

 ちょっと便利だなと思うのは,電池の残り容量が簡単な液晶インジケーターでわかるようになっていて,指で電池の端と端をつまむとギュイーンと(音はしませんが)デジタルのオーディオメータのようなフュエルゲージのバーグラフが伸びたり(DURACELLという会社のは PowerCheckと呼ぶらしい),容量が十分あれば"GOOD"なんて表示されたりします。たぶん人間に通電性があるのを利用しているのだと思います。その割に日本より保ちが悪いような気もします。

 それから,こちらでの乾電池の呼び方は,単4電池がAAA,単3電池がAA,単2がC,単1がD,006Pが9Vなどと,ちょっと日本とは違います。まぁ見ればどれがどれだかわかるし,電池の包装紙にも印刷されているので間違えることはないのですが,買おうと思っているおもちゃの外箱に「AA電池が2本必要」なんて書いてある時に,「そういえば日本から持ってきた電池が家にあるなぁ」なんてときは覚えておいた方がいいかもしれません。「単」という規格は,日本独自の呼び方のようです。

 こちらのおもちゃの外箱には,"Try ME!" と書いてあって,特定の部分だけスイッチに触れるようになっているものがよくあります。自分が買いたいおもちゃの場合,これで動作確認をしておかないと,電池切れではなくて,不良品で動かないということもあるので,この点に関しても注意が必要です。不良品を掴まされて,わざわざまたお店に戻る羽目になっても,お店の人は決して謝っちゃくれません。うちの場合,特にいくつか同時に買い物をするときは,このチェックを忘れてしまい,何度も失敗しています。夕食は,リトル東京で寿司,天丼など。

2月2日(月)UNCの歯学部には,OCIS(Office of Computing and Information Systems)というコンピュータとネットワークの専門部署があります。基本的には,学部内の全てのパソコンは,各研究室や講座に運ばれる前に一度ここを通り,IPアドレスの発行,設定,標準メール(Siren)とブラウザ(Netscape)ソフトのインストール等の処理を経て,それぞれの部屋に運ばれるようになっています。

 彼らが管理しているパソコンは今年度中に800台にまで達する勢いです。当然これらにかかるサポートの労力は相当なようで,今日も学内全員宛にお知らせのメールが来ていました。「みんな,新しいソフトが出るとすぐにでも自分のパソコンで試してみたいんだろうけど,WindowsやOfficeのβソフトだけは絶対にインストールしちゃダメだよ。Outlook 98のβバージョンなんて,もってのほかさ。僕らだってクラッシュしたのを元に戻すのに苦労してるんだぜ。わかるだろ?正式バージョンが発表されたって,最初のうちはバグだらけで何が起こるかわかっちゃないんだから,まず3ヶ月は待つんだね。もし興味本位でロクでもないソフトをインストールして,その結果,自分のパソコンの中身がぐちゃぐちゃになっても僕らは知らないよ。助けて欲しいって言ったって,そんなやつの順番なんか一番最後にしちゃうんだから。いいかい?これ以上くだらない仕事を増やさないでくれよ。インストールしていいのは,僕らがサポートすると宣言しているソフトだけだってことを,忘れちゃだめだよ。」てな具合。彼らはオプショナルな仕事に関しては,学内であっても別にサポート料金を設定しているのですが,それでも仕事は減らないようです。新しモノ好きは,日本にもアメリカにもいるということ。専門に助けてくれる人が学内にいるだけ,アメリカの方がまだましかな。夕食は中華風ガーリック唐揚げなど。

2月3日(火)節分です。が,鬼もアメリカまでは渡って来れまいということで,特に豆はまきませんでした。

 さて,英語がろくに話せなくても,日本語が話せると便利なことがあります。こっちの人やモノに悪口を言うときです。例えば,お店に入って「高ーい」とか「品揃え悪すぎ!」,「こんなもん,買う人いるのかね?」,「期限切れてるよ,これ。」なんて,忌憚ない意見をニコニコしながら言ってる分には,ぜったい大丈夫です。バイリンガル(?)の強みです。もちろん,アジアまたは日本系のお店では,決してやってはいけません。たぶん日本人が多い観光地でも,この手は使えないと思います。夕食は,野菜とキノコのカレーライス。

2月4日(水)立春です。夜遅くのテレビでは,厳しいアメリカの放送コードもやや甘くなるのか,日本ではまず見られない怪しげなCMを見ることができます。特に,悩ましげなお姉さんが何人も出てきて,「お電話待ってるわ」というやつは,アメリカでも昼間には絶対見られないものですし,また,サイキックス(霊媒師)が「悩み事は私にまかせなサーい!」と自信たっぷりに視聴者に話しかけ,その後,彼らに電話した後にどんなにすっきりしたかを晴れ晴れとした顔で語るお客さん達が出てきたりするCMも,実に胡散臭い感じです。

 これらのCMでは,1-900で始まる有料電話サービスの番号(どういう仕組みかわかりませんが,1-800で始まる無料サービスの番号の場合もある)と一緒に,30分無料!とデカデカと画面に表示されるのですが,よくよく読むと,画面の隅に小さく「最初の3分だけ無料で,10回かけられます。その後は1分あたり5ドル」と書いてあったりします。公共の放送でよくやるなぁと思うのですが,だまされる人もいるんでしょうね。ちなみにアメリカはサイキックス発祥の地なので,料金は別としても,本気で電話する人はたくさんいるんだろうと思います。アメリカ人に聞いたら,「あいつらは,金を盗むだけだよ。電話なんかするなよ。」と言われてしまいました。夕食は,林檎のミートローフとほうれん草のクリームキャセロールなど。

2月5日(木)持病の外耳炎が再発してしまい,今日はさすがにつらかったので,仕事を休み,ドクターに診てもらうことにしました。夜遅くまでテレビなんか見てるからだと言う声も聞こえてきそうですが,それはさておき,医療従事者としては,アメリカの医療の現状の一端を患者の立場から知るよい機会が来たわけです(おおげさだってば)。

 一般にアメリカでは保険制度の関係でホームドクター(プライマリケアドクター;一般に内科医,子供の場合は小児科医)が決められていて,まずそこにかかることになっています。子供の担当医は決めてあったのですが,僕らは特に決めてありません。UNCやDukeの大学病院だと待たされるのがいやなので,州都のラーレイにあるDoctor's urgent care centerという予約無しで診てもらえる診療所に行ったところ,ここはそれほど混んでいなくてラッキーでした。まぁ,特に心配はないでしょうと言うことで,薬の処方箋をもらって帰りました。

 日本だと順番が来ればすぐにお医者さんのいる診察室に呼ばれますが,こちらではなかなかドクターまで行き着けません。今日も看護婦さん二人に体重や身長を測ってもらったり,病状を聞いて貰って,やっとドクターに会えたほどです。また,さらに医薬分業が徹底しているため,クリニックでそのまま薬をもらえるところは少ないようです。ちょっと面倒なのですが,そのおかげでダーラムにあるディスカウントストア「Kマート」の薬局が意外にちゃんとしているのがわかりました。しかしこっちの錠剤は本当にでかいです。2錠以上いっぺんに飲もうとすると確実にのどを詰まらせます。

 夕食は,スパゲッティミートソースなど。夜9時から全米が注目するUNC対Duke(現在全米2位 対 1位)のバスケットボールのビッグゲームがUNCでありました。一時は危ないところもありましたが,ガードの堅いDukeに対して,テクニックで優るUNCが勝利を手にしました。今日のこの試合の時間は,チャペルヒル,ダーラムの町には人っ子一人歩いていなかったそうです。アパートの天井が薄いので,上の階の住人も一緒にテレビでゲームを見ながら一喜一憂しているのも伝わってきました。彼らは,これから(11pm)町に繰り出すようです。

2月6日(金)ナガノで冬のオリンピックが始まりました。日本で開かれるオリンピックをアメリカから見ることになるなんて,不思議な感じです。こちらでもCBSネットワークにより夜8時(日本より14時間遅れ)のプライムタイムから,生放送でオリンピックの特別放送が始まりました。イラクを攻撃したくてジリジリしているクリントン大統領もメッセージを寄せ,アナウンサーが「Kon-Nichiwa」と挨拶をし,続いて善光寺の紹介があり,曙が英語でインタビューに答え,小澤征爾も英語で話しているうちに興奮して話が止まらなくなってインタビューワーに遮られたりと,なかなか日本では見られないような興味深いシーンもありました。

 CBSのアナウンサー達も日本の文化について,だいぶ予習はしたようです。しかし木遣り歌を日本のヨーデルと紹介したり,御柱をプラスティックにすれば軽くて扱いやすくなるのに,とか,やっぱりアメリカ人のバイアスがかかった画面と説明を見聞きしていると,「そこ,ちょっと違うんだけどなぁ」と気になる点もいろいろ出てきます。でも,クライマックスの伊藤みどりの聖火台への点火シーンを見たら,不覚にも思わず胸が熱くなってしまい,そんなこともどうでもよくなってしまいました。夕食は,ブルーフィッシュのフライとハッシュパピー。またしばらく寝不足の日が続きそうです。

「まわりのアメリカ」のカウンターが2000を,「Around the HAMACHI!」が1800を越えてました。ご愛読,本当にどうもありがとうございます。

2月7日(土)ノースカロライナ(NC)州は,アメリカ南部なのでウィンタースポーツ関係はどうも弱そうです。NC出身のオリンピック選手は少ないだろうなぁと思ったら,たった一人だけいました。スキーのフリースタイルに出場するMariano Ferrario選手です。コロラド州なんてたくさんいるんだけどね。ちなみに日本の選手達が作ったホームページはここで見られます。

 さて,こちらの大きなスーパーマーケットは,品物の種類も多いので,その中から日本人の口に合うモノを見つけるまでが大変です。特にスナック類はものすごい種類があるのですが,たいてい日本人にとっては辛すぎたり,風味がきつすぎたりして,好みの味に行き着くまでにとても時間がかかります。最近は少しお気に入りのブランドでも増えてきましたが,それまでに何度,封を開けてすぐに捨ててしまったことか。

 最も最近のお気に入りは,Tostitosという会社のトルティアチップとOld El Pasoのサルサ。お勧めのアメリカングッズというページを新しく作りました。夕食はマサラ風チキンカレーなど。

2月8日(日)今日は,午後からノースカロライナ州立自然科学博物館(Museum of natural sciences)に行きました。ここは,ノースカロライナで一番古い州立博物館。博物館全体から手作りの暖かさを感じる場所です。動物や鳥の剥製や大きな生き物の骨格標本が多く展示されています。1999年に新しいビルディングに移転予定だそうで,すぐ隣で建設工事をしています。ここが新しくなるとこんな恐竜達なども見られるようになるそうです。

 自然科学博物館の目の前には,対照的にモダンな作りのノースカロライナ歴史博物館(Museum of history)があります。入るとすぐに,高くて明るい吹き抜けにつり下げられたライト兄弟の飛行機「ライトフライヤー」の実寸模型に目を奪われます。ここは現代史のギャラリーといった雰囲気で,ノースカロライナのスポーツ功労者の「殿堂」もあります。1階にあるミュージアムショップは,ノースカロライナのお土産になりそうなものがたくさん売られていました。どちらの博物館も寄付は受け付けていますが,無料で入場できます。

 博物館の運営費用というのは,素人目に考えてもバカにならない額になると思うのですが,アメリカでは入場料を払わないでも入れる博物館や美術館がたくさんあります。もちろんどこでも寄付は受け付けていますが,見たい人が来る博物館ではなくて,誰でも気軽に来て,興味を持ってもらおうとする姿勢は,日本には真似できないところです。夕食は,久喜で,久喜定食など。ここは,チャペルヒルから30マイルほど離れているのですが,わざわざ来る価値はありそうです。

2月9日(月)海外通販をしたことのある人なら,もしかしたら知っていることかもしれませんが,アメリカ人は,アジア人(こういうくくり方もないのですが)に比べて頭が小さくできています。子供服などを買ってあげた時に,気がつくことが多いのですが,娘もセーターなどは,首がすっごくきついようです。手足はもちろんアメリカ人の方が長いのですが,ちょっと大きめの年齢用のものを買うと,袖や丈は長いし,ズボンは殿中<註>状態。でも首だけは小さいので,うちの子供が頭を通すのなんか見ていると,「ぎゅーーーー,すぽん!」と,とても痛そうなんです。で,新生児の頭が大きいために,アジアの女性は,出産時に他の人種に比べて難産になりやすく,また,頭が重いために,肩こりになりやすいのだそうです。

 ところでテレビを見ていると長野は,外国人の人口密度が高そうですね。信じられないかもしれませんが,アメリカではCBSがオリンピックの放送を独占しているために,このネットワーク以外の局では,オリンピックの放送がほとんどありません。日本ではどこのテレビ局もオリンピックの話題で持ちきりだと思いますが,こちらのケーブルテレビでは70近くチャンネルがあり,スポーツ専門の局もあるのに,ナガノの話題を他の局で探すのが難しいほどです。

 日本ではテレビ局によって,いろいろな種目や切り口でオリンピックが楽しめるのでいいですね。飽きるかもしれないけど。夕食は,牛挽肉の自家製ソフトタコス。

<註>「殿中」:裾を引きずりそうなくらい長いこと。将軍様がいるような御殿では,みんな着物の裾を引きずっていることから。

2月10日(火)アメリカのCBSネットワーク(トライアングルエリアでは,WRALという地方局が担当)は,オリンピックを独占中継しているので,特番でのゲームのシーンを見せるだけでなく,いろいろな番組にもナガノと会場の映像を使っています。現地のサテライトスタジオのバックは,いつも善光寺です。

 相変わらず,アメリカ人の先入観の入った妙な日本のイメージ映像も流れたりしますが,毎日ちょっとずつ日本の文化についての紹介もあります。昨日は,ウナギとパチンコ,今日は料理のサンプル(見本)などが取り上げられていました。そういえば,こちらのレストランには,店頭にサンプルがおいてあるのを見かけたことがないので,アメリカ人には珍しいのでしょうね。

 その代わりに,アメリカのレストランのメニューにはそれぞれの料理の項目にどんな材料を使って,どう調理してあるのかが書いてあります。最初は,けっこうイメージが湧かず大変だったのですが,最近は多少想像できるようになってきました。でも,やっぱりサンプルを見て,「これにしよっ!」って選べるほうが,便利ですよね。まぁ,日本でもサンプルとは似ても似つかないものが出て来てくることもありますが。夕食は,ピーマンのミートライス詰めなど。

2月11日(水)僕がいるせいかもしれませんが,研究室のボスや同僚はナガノ・オリンピックを意外と見ているようで,ナガノについていろいろ尋ねられたりします。日本選手は,もう金メダル2つですから,すごいもんです。日本にいたら,それほどテレビを見なかったような気もするので,すこしナショナリティに目覚めてきたのかな。

 日本では,テレビガイドの類が山ほど発行されていますが,こちらでは,何十チャンネルとあるのに,一般に手にはいるのは,なぜか「テレビガイド」(たぶん日本のと姉妹紙)というものか,新聞の日曜版付録のガイドだけです(昼メロガイドってのはあります)。うちでは新聞を取っていないので,「テレビガイド」を毎週買っているのですが,カバーされていないチャンネルもあったり,カラーのページがあまりなかったり,チャンネルの番号とテレビ局とプログラムは地域によって変わるので,すごく読みにくい代物です。

 毎日,何十もあるチャンネルを新聞に載せることは不可能なので,アメリカでは,テレビ番組ガイドというジャンルが成立しないのかもしれません。そのかわりに,プレビューチャンネルという,現在放送中の番組表をだらだらと流しているだけのチャンネルがあり,放送中のものや少し先に放送予定の番組内容からチャンネルを選択,予約できるオプションもあるので,本よりテレビやインターネットから探す方が便利です。最近は映画の説明に,何年制作のものかが出るようになって,だいぶわかりやすくなりました。テレビのリモコンにも,見たい番組をいろいろチャンネルを次々変えて探したり,二つの番組を同時にチェックするのに便利なように,すぐ前に見ていたチャンネルに戻るボタンが付いています。日本も民放がもっと増えるとこんなリモコンや番組表を見せるだけのチャンネルができるかもしれませんね。夕食は,チキンクリームシチューと本場の餃子。

2月12日(木)こちらの歯学部では,それぞれの学年を,卒業する年で呼んでいます。freshman/1st-year,以下sophomore/2nd, junior/3rd,senior/4thと一般的な呼び方もしますが,特定の学年を指すときには,「西暦2000年に卒業するクラス(Class of 2000)」という呼称になります。日本の大学の「何年卒」というのと似ていますが,卒業する前から,卒業する年で呼んでいるのは,変な感じです。2000年で思い出しましたが,UNCでは,2000年に入学するすべての学生から,ノートパソコンを持たせるようにする計画を発表しました。すでに歯学部では今年入学する学生からこれが導入されますが,いよいよ全学的に実施されることになった模様です。

 現在でも半分以上の学生は,自分のコンピュータを持っているというデータもあるのですが,これを全員に義務化することで授業やレポートの提出,成績管理を円滑にし,教室,図書館,学生寮,生協などでもコンピュータを接続できるような環境をつくるそうです。でも,この辺りののんびりした工事風景を見ていると,そんな大がかりな工事がそれまでに終わるような気がしませんし,ハードやソフトの標準化はかなり難しくなりそうです。

 UNCは質の割に学費が安いことでも有名なのに,学費以外の出費が増えることになるので,学生もあまり歓迎していない様子です。コンピュータの忘れ物,盗難なんてのもきっと増えるんでしょうね。夕食は,アスパラガスのキャセロール。忘れるといけないので,明日は,アメリカのバレンタインデーについて,の予定。

2月13日(金)13日の金曜日です。が,その話はおいといて,今日はバレンタインデーの話。今年も日本ではバレンタインデー商戦が盛り上がったでしょうか?こちらでも,バレンタインコーナーやセールがそこここのお店やデパート,スーパーで,お客さんを待ちかまえています。感謝祭やクリスマスの時と同じように,バレンタインも売り上げが伸びるシーズンだそうです。

 聖バレンタインデーが,もともと西洋の慣習であることやチョコレートのプレゼント作戦は日本のオリジナルで,チョコレート会社の陰謀だったということは,今や常識ですが,本来は恋人同士が手紙やプレゼントをやりとりする日だったそうです。アメリカではこれを拡大解釈して,恋人同士はもちろん,家族や友人に,カードやプレゼントを送ります。もちろん女性から男性だけに限るということはありません。またアメリカでも,チョコやお菓子を送ることが多いようですが,店頭では女性のための贈りものの方が目立つような気がします。ポピュラーなプレゼントは,バラの花と,なぜか風船。今日はテレビの映画チャンネルでは,ご想像通り「13日の金曜日シリーズ」が10時間ぶっ通し放映されてます。

 夕食は,ダリルズで,ステーキなど。店員の愛想はとてもよく,味もまぁまぁだったのですが,ことごとくオーダーが間違っていて,最初はチップをはずもうかと思ったのに,幻滅。注文を聞く人と料理を運ぶ人をどうして変える必要があるのかと思いますが,たぶん雇用を増やすためなのでしょう。バレンタインスペシャルディナーセット$40というのもありましたが,頼まなくてよかったかも。

2月14日(土)作者急病のため,本日は休載させていただきます。

2月15日(日)昨日は,読者の方からお見舞いのメールを頂いたりして,ご心配をおかけしました。金曜の分をサーバーに送ったあたりから,急に寒気を感じ始め,体のあちこちに痛みを感じたので,体温を測ったら,39度(華氏だと102度!高そうでしょ)。土曜の朝になっても依然,熱は下がらず,キーボードに手をおいても震えてしまって(よいよいになったみたいだなぁ),昨日はさすがに書くのをあきらめました。ネットサーフィンだけならクリックだけで,できたんだけどね。

 で,今日は,朝まだ38度程あったのですが,夕方には36度台に下がってきたので,書く元気が出てきました。インフルエンザだと思いますが,さすがにつらい思いをしました。日本でもだいぶ流行っていると聞きます。皆さんも気をつけて下さい。ワクチンはどうやら型がはずれたのか,効かなかったようです。

 さて最近は,クーポンと広告を手に入れるためだけに日曜版のThe Herald-Sunという地元の新聞を買っています。日曜版は,平日版よりもだいぶ分厚く,今日はA〜Hまでの8分冊+コミック+TVガイドで約400g,そのうえたくさんの広告やクーポンを加えると1kgにもなろうかというずっしりとした読み応えで,とても全部は読めません。

 で,多少は中身を読んで気づいたこと。日本の新聞とこちらの新聞で大きく違うのは,そのページだけで読み切りにならないことです。フロントページには,その日の見出しと重要なニュースが載っているのですが,記事の文章の途中で,しかもピリオドやカンマでもないのに[Aの13ページへ進め]などと平気で読者にページめくりを強要します。まぁ,それ以上ページが飛んでスパゲティ状態になることは少ないのですが,こちらの新聞記者や編集者は,決められた範囲内でまとめる能力がないのかとも思ってしまいます。慣習なんでしょうけど。夕食は,ポテトきのこグラタンなど。

2月16日(月)今日は,Presidents' Day。スキャンダルが続々と出てくる実に庶民性の高いクリントン大統領を,国民がこぞってお祝いしています。というのは,ウソですが,大統領の日というのは,本当です。初代大統領のワシントンの誕生日が22日で,12日がリンカーンの誕生日なので,代々の大統領たちの功績を讃えてお祝いするようです。

 アメリカでは祝日らしい名前をつけておきながら,州や所属する団体によっては休みにならない日があるので,しばしば,がっかりさせられます。先月のキング牧師の日も大統領の日も同じ「連邦の祝日」なのに,なんで今日も休みでないのかは,よくわかりません。ただ,プレジデンツ・デー・セールはどこでもやっているようです。こちらの人は,何でもセールのネタにしてしまうようなので,そのうちインターン(実習生)セールとかモニカ・セールなんてのもやるんじゃないかな。

 で,当のクリントン大統領が今追求されているのは,実は女性問題そのものではなくて,アメリカの道徳的規範であることが厳しく求められる「大統領」がついたかもしれないウソと人にウソをつくことを強要したかどうかについてなのです。アメリカでは「誰もが大統領になれる」と昔から言われてきたそうですが,最近は「これなら本当になれそうだ」と冗談まで聞かれるほど大統領が身近になってきたのに,その上,神様のような完璧な道徳性まで備えないといけないのというのは,本当に大変な職業です。いや,クリントン大統領を弁護するつもりはありません。

 日本の首相や大臣に,国民の見本になれと言ったってお話にならないでしょうけど。バレバレのウソをつき放題の政治家や,現首相である橋本さんの,スパイではなかったかという某国通訳との交際問題なんかは,もうどうでもよくなってしまったのでしょうか?

 イラクとの緊張が高まるにつれ,ドルがまた上がってきました。日本がもっときちんと国際社会から評価してもらえるようにする頑張りどころは,ここだと思うのに,決め手となるような政策や経済対策は何も見えてきません。日本からの送金のタイミングをまた逃してしまった僕も,やっぱり相場師にはなれそうもありません。夕食は,フレンチオニオンスープ,ホットチキンサラダなど。うーん。今日は,まだ残っている熱に浮かされたようで,長くなってしまいました。

2月17日(火)うーん。日本から持ってきたビデオカメラがどうやら壊れてしまいました。たいして使っているわけではないけど,撮りたいときに撮れないのはしゃくなので,安いのを探すことにします。反面,物を買うとなると,下調べなどの選ぶまでの過程がわくわくして楽しいのも確かです。こちらでは高機能,高価格の商品を店頭で見かけることがないので,結果的にあまりお金を使わなくてすむのが幸いです。

 今日は朝からものすごい雨で,トライアングルエリアでも浸水してしまった家もあったようです。"Flood"というと洪水のことだけじゃなくて,冠水もさすようです。実地の英語の方がやっぱり覚えますね(すぐ忘れるのは同じだけど)。エルニーニョは,ピークを過ぎてもまだまだ影響が強いようです。

 Mac用の日本語漢字変換プログラムATOKを,8から11にバージョンアップしました。気持ち,変換が早くなったような気がしますが,新しい辞書が学習してない分,まだ使いづらい状態です。MacOS8にしてから,半角の文字入力時にキーと画面表示が異なる問題は,Macintosh トラブルニュースで予め仕入れておいた情報(97/11/28)で,なんなくクリアー。ユーザーが頼みにできる場所へいつでもアクセスできるのは,ありがたいことです。いつも,トラブルがある程度出尽くして,対処法が公開されるのを待てればいいのだけど,どうしても新しい物には,コントロールがきかなくて。MacOS 8は,MacOS 8.1が出た今が買い時かも。体の方も,全快までもうちょっと。夕食は,研究室の同僚の中国人Zさんが作ってくれた本場の水餃子など。日本のジャンプの金メダル,良かったなぁ。

2月18日(水)昨日の大雨と打って変わって,今日は春めいた暖かな日でした。木々の芽もだいぶ,ふくらんできています。

 さて,こちらで服を買うと,気になるのが背中のタグです。日本でもヘインズのTシャツなどを買ったときには,経験していたことなのですが,首の後ろにブランド名などの書かれたタグが付いていますよね。アメリカで買った服では,どれもこれが結構長くて,しかもここに洗い方などのタグも一緒に付いていたりするので,この2,3枚が首から背中にかけて常に肌をちくちくと刺激して,けっこう鬱陶しいものです。

 で,もう我慢できなくなると,頭に来てタグをちぎったり切り取ったりしてしまうのですが,後になって,その服の洗い方がわからなくなって慌てることがあります。日本のだと洗い方のタグは,下の方に別に付いていたような気がします。夕食は,チキンコルドンブルー。

 ここ2,3日Macのテキスト表示がのろかったり,変になったりしていたので,心配していたのですが,ふと思い当たったシステムフォルダのフォントキャッシュというファイルを捨てたら,だいぶ調子が良くなりました。Macのトラブルにも少し慣れてきたかな。

2月19日(木)日本より14時間前の世界で生活していると,日本にいる人と電話などで直接話す頻度が低いのに,「日本は朝になったな」とか,「もうそろそろテレホーダイタイムで日本のサイトは重くなりそうだな。」などと,意外と日本の現在時刻が気になるものです。まるで時計を二つ持って生活しているような気がします。もちろん,そんなことお構いなしで,日本からは夜中に突然ファックスが送られて来ることもありますが(「おまえが夜中までインターネットで電話線塞いどるからじゃい!」という声も聞こえそう。),アメリカでは,日本からおよそ半日前の時間が,同時に経過しているって考えると不思議な感じがしませんか?

 日本で印刷されたメルカトル図法の世界地図ばかりを見ていると,日本は,アメリカ(カリフォルニア辺り)の西にあるような気がしてますが,時間的には,遙か東(Fareast)にあると見た方が正しいようです。極東というのは,もともとヨーロッパ(イギリス)から見た東アジアを指すのですが,アメリカから見ると,日本はさらに東に位置することになります。

 日本を遠く離れて生活していても,やっぱり日本のことは気になるのは,しばらくは仕方ないことでしょう。家族と一緒なので,さすがにホームシックになることはありませんが,最近,日本が懐かしく思えるときなどは,西泊茂昌のCDを聴いています。彼の音楽は,繊細でいて力強く,よし,がんばろうという気持ちが湧いてきます。夕食は,ブレックファストキャセロール。

2月20日(金)今日も汗ばむような陽気でした。ものによっては,花がほころび始めた木もあります。このままノースカロライナは,春になってしまうのでしょうか。寒くなるときは,零下20度にもなると聞いていたので,東京でも体験したことのないような厳しい寒さが体験できるかと思って,ちょっぴり期待していたのですが。

 夏の間にバーゲンで,めちゃくちゃ安く買ったダウンジャケットも,全く着る機会がありませんでした。それというのも,どこに行くにも車で移動するので,寒い外を長い時間歩いたりするチャンスがなかったからです。これも意外と気がつきにくい車社会の影響といえそうです。ってわざわざ書くほどのことはないか。

 そうそう,東京とほぼ同じ緯度にあるノースカロライナ州は,南部に属しますが,アメリカで一番南にあるフロリダ州は南部には属さないって知ってました?南にあるだけでは,南部とは呼ばれないのです。南北戦争の時に同盟として一緒に戦った州だけを,誇りを持って「南部」というのだそうです。けっこうこれ,地元の人にとっては重要なことのようです。

 あともう一つ。モニカ・ルゥインスキーとタラ・リピンスキーは,どっちがインターンだっけ?というジョークは,タラちゃんがゴールドメダルを取って超有名人になったので,もう聞けなくなるかも。アメリカでは最年少のゴールドメダルフィギュアスケーター誕生の話題でもちきりです。夕食は,Thai Palaceで,前回もおいしかったトムヤングンや炒飯など。

2月21日(土)大学バスケは,だいたい週2回のペースで試合があります。今日は,North Carolina State University(NCSU)と UNCの試合がありました。現在トップのUNCは,なんだかまったく精彩に欠け,今シーズン2回目の敗北を喫してしまいました。

 さて,ここで気づいた人は偉い。UNCの正式名称は,University of North Carolina at Chapel Hillです。で,敢えて日本語で表記すると,「ノースカロライナ大学チャペルヒル校」,NCSUは,「ノースカロライナ州立大学」州都のラーレイにあります。でもUNCも州立大学で,しかもUNCもNCSUもノースカロライナ大学を構成する16大学のうちのひとつなのです。

 なんだかこんがらがってきましたが,UNCとNCSUは,違う大学だけど,同じ系列校でもあるわけです。ただ,University of North Carolinaと言った場合は,その総本山のチャペルヒル校を指すのが普通なようです。僕も,出かける前にみんなに書いた留学のお知らせのハガキで,チャペルヒル校は州立だから...と勝手に解釈して「ノースカロライナ州立大学チャペルヒル校に留学」と,みんなに送ってしまい,恥ずかしい思いをしたのですが,とにかく,わかりにくいネーミングだと思います。

 閑話休題,僕のページを読んで下さっている人で,日記を全部プリントアウトしたという話を時々聞くようになりました。すごくありがたいことなのですが,僕もやったことがない(60頁以上あるらしい)ので,いったいどのくらい時間がかかるのか想像もできません(最近特に1日分が長くなっているし)。心からご愛読を感謝します。それで,特に,こちらに来る予定の方のために,チャペルヒル到着後のモデルプランというページを新たに作りました。バーチャル渡米体験をしてみたい方も,97年5,6,7月あたりの日記と一緒にお読みいただけたらと思います。内容はまだもう少し付け加える予定です。夕食は,ビーフファヒータ。

2月22日(日)今日は,ナガノオリンピックの閉会式。さすがにアメリカの朝4時には放送もないので,録画中継で見ることに。やっぱりセレモニーは,夜の方が雰囲気が出ます。閉会式でもアメリカの選手とCBSのアナウンサーがワイヤレスマイクでインタビューしながら行進するというのが見られました。欽ちゃんの司会の声は聞こえたのですが,残念ながらその姿は,アメリカの選手のインタビューがかぶってほとんど見ることはできませんでした。

 ナガノでは日本の選手もたくさん見せ場を作ってくれたので,アメリカにいる僕らも楽しむことができました。「ふるさと」と「輪になって踊ろ」の歌では,また不覚にも,グッと来てしまいました。あれは杏里?

 でもCBSは,CMを入れすぎ!こちらではタラ・リピンスキー仕様のバービー人形も発売されています。実に商魂たくましいなぁ。

 日本は,伝統と文化とハイテクとが高次元でで見事に融合しているのを,世界に向かって宣伝できたと思います(まだ誤解も多いけど)。もっと日本は自信持っていいと思うよ。

 夕食は,ラーレイの寿司常で。評判どおりサービスも味もまぁまぁだったんだけど,木のテーブルがべとべとしていたり,寿司のわさびが効きすぎだったりで,少しイメージダウン。やっぱりアメリカの日本食のお店は,日本人がたくさんいるような地域なら日本人向けだけでもやっていけるかもしれないけど,トライアングルエリアのように日本人が少ないところでは,「寿司**」という店の名前でも,寿司も天ぷらも照り焼きも焼き鳥もうどん,そば,餃子(!)など,日本ではそれぞれが専門の店でやっているようなことをひとつのお店で,しかもアメリカ人向けの味にしなくてはいけないから,どうしても日本に比べたら,目指すレベルに差ができるのは仕方ないこと。とは理解できるものの,やっぱり和食の選択の幅が狭いのは痛いなぁ。

2月23日(月)オリンピックの期間中連呼され続けたナガノですが,意外にCBSのアナウンサーたちは,ちゃんと「ガノ」と発音していました。英語では,3音節以上ある場合は,「ナノ」と2音節目にアクセントをおくのが普通なので,慣れるまでは,ちょっとアメリカ人たちも違和感あったんじゃないかな。

 日本語では,中国を除く外国の人名や土地の名前については,わりとその土地での発音を忠実に再現するように努力しているように思いますが,アメリカでは,なんでも英語読みしてしまうので,どこの話をしているのか,かみ合わないことがよくあります。そんな人たちでも,ナガノには特別に敬意を払っていたというところでしょうか。そういえば,長野は「ナガノ」と呼ばれるのに,日本の国名は,「ニッポン」じゃなくてジャパンというのも,よく考えてみると変な気がします。ただ,英語名と母国語名が違う国はいくらでもあるので,今更こちらは変えられないとは思いますが。

 さて,沖縄の「風」,株式会社テダハンがじゃんさんに,ご自分のホームページから僕のページにエールを送っていただきました。自分の名前が他のサイトで出てくると,ドキッとしますね。いつもありがとうございます!沖縄ではもう桜が咲いているそうですが,ノースカロライナでは見られるかなぁ。だめならワシントンDCまで東京ゆかりの桜を見に行きたいものです。イラクとの緊張もとりあえず収まりそうで,少し安堵。夕食は,白身魚のサフラン風味

2月24日(火)こちらに来てすぐに買った綿棒のパックが,どうやらここ2,3日でいよいよ使い切りそうです。なんと300本入り。毎日1本ずつ使っても約10カ月かかる超お得なパッケージです(8カ月だったけど)。日本だとがんばっても100本入りくらいしか売ってないんじゃなかったかな。この綿棒,耳を掃除していると次第に毛羽立って,耳の中に入れる前の3倍ぐらいの大きさに膨れ上がるという代物で,Made in USAのご多分に漏れず,品質は決してほめられたものではありません。たぶん先日の外耳炎もこれが原因だったのかも。

 その他にもアメリカでは,日本では見られないような大きな容器がジャンルを問わずいろいろあります。シェービングフォームも日本の2.5倍は長持ちする大きさだし,牛乳も水も約4リッター(1ガロン)入りのが売られています。この差は,アメリカの人が車でまとめてドカーンと買い物をする習慣があること,土地が余っているので店舗面積も個人の家の収納スペースも大きくとれること,日本では逆に大きな容器を置く場所が店にも家にもないことあたりから出てくるものではないかと思います。

 また不思議なのは,日本だと化粧品などはリフィルも売っていますが,こちらではあまり見かけないようです。アメリカの人達は,詰め替えるのも面倒なのかも。使ったら捨てる,とことん合理主義。仕事の実験で使う用具も使い捨てのものが多く,用済みのものは何でもぽいぽい捨てちゃう事に最初は罪悪感を覚えましたが,最近はだいぶ慣れてきました。僕が大学生の時は,試験管の洗い方や雑巾モップの絞り方まで講義と実習で習ったのに,アメリカじゃほとんど役に立ちません。夕食は,ミートローフ。

2月25日(水)先日,ノースカロライナの2つ南の州,フロリダで竜巻(トルネード)による大きな被害がありましたが,ノースカロライナの学校でも竜巻の避難訓練が行われています。避難訓練といっても外に逃げるわけに行かないので,警報が発令されたら,学校の廊下に出てしゃがみ,頭を抱えこんで竜巻が行くのを待つというのが避難スタイルのようです。日本だと地震や火災の訓練をしますが,こちらでは地震がない代わりに竜巻訓練があるようです。西海岸の方では,地震もあるので,たぶんこれに地震の訓練も加わるんだろうなぁ。

 アメリカの竜巻というと,カンザス州のドロシーが竜巻に吹き飛ばされたところから始まる「オズの魔法使い」の話や,映画の「ツィスター」は,オクラホマが舞台になっていましたし,トルネードボーイの野茂選手など(これは,ちょっと違うか),アメリカ人にとって竜巻は,意外と身近な(?)天災のようです。テキサスの竜巻の発生頻度に比べれば,ノースカロライナの竜巻は,10分の1くらい少ないのですが,それでもやっぱり備えあれば憂いなしといったところでしょう。夕食は,三色そぼろ丼。

2月26日(木)良くも悪くも,アメリカは個人主義の国です。たくさんの移民によって作られた国ですから,基本となる文化や宗教,習慣などからなる価値観もそれぞれの民族,人種,地域で異なります。そのため,国をひとつにまとめることが難しいことは,誰の目にも明らかです。これを逆手に取り,相違のあることを認め,相手を尊重し,長所があれば社会に取り込むというやりかたを個人レベルまで浸透させる努力をしながら,アメリカは成長してきたのだと思います。

 最近,組織優先の集団主義だった日本も,いろいろ苦しみながら少しずつ変わってきているように見えます。アメリカのやり方に倣うことも多くなり,良い方向に向かってくれればいいのですが,そんなにうまくはいかないようです。

 日本から出かける前に「まわりの困ったこと」にもちょっと書きましたが,人にぶつかっても謝らないとか,きちんと挨拶ができないとか(これ,若者の話じゃなくて,立派な大人の話です),どうも「集団主義」→「個人主義」=「自分勝手」=「自由」と,自分に都合の良い解釈をしている人が,東京のような都会では増えているように感じました。これは,アメリカの個人主義とも全く違います。また,お互いを尊重しあえない個人主義はあり得ないと思います。

 今までの日本らしく,自分の所属する組織の和を考えながら成立する個人主義っていうのは,実現不可能なのでしょうか?(ところで日本だって単一民族国家じゃないってこと意識したことありますか?この話は,そのうちしたいな) いつのまにかカウンターが2500を越えてました。Thank you! 夕食は,サーモンソテーとチーズグリッツキャセロール。

2月27日(金)アメリカでも日本でも,研究者達は自分の所属する機関から出るお金だけでは,たいてい研究費が足りないので,政府や財団などに助成金(日本では,科学研究費補助金,アメリカではGrantなどと呼ばれる)を出してもらうために申請書を毎年書きます。

 申請書には,自分の今までの研究歴,研究の目標と内容,研究方法,予想される成果,必要な機器や費用などについて,どれだけ自分の研究と計画が優れているかを書類にして提出します。この助成金がもらえれば買いたいものが買え,研究もはかどるはずなのですが,実は,ここに日米の差があります。

 日本では,このお金で新たに人を雇うことや自分の給料にすることができませんが,アメリカでは,助成金の研究を円滑に推進させるため,申請者の本来の業務(教育や臨床など)を減らして,その分このお金を使って人を雇うことができるのです。日本だと助成金が当たると,うれしい反面,仕事が増えてしまうので,あまり大風呂敷を広げて申請書を書いてしまうと,後でかなりつらい思いをすることもありますが,アメリカでは仕事を分散することができ,雇用を増やすこともできるので,非常に合理的なシステムだと思います。

 夕食は,Outback Steakhouseで,リブアイ・ステーキなど。このお店,いつも混んでいて,今までに2回来て,あまりの混雑ぶりにあきらめて帰っていたのですが,3度目のトライでやっと入れました。それでも20分待ち。ウェイトレスや案内の人たちも気持ちがよく,お店の教育もしっかりしていることが伝わってきます。最初にテーブル担当者が,自分の名前を名乗るような教育の行き届いたレストランでは,あまりハズレがないような気がします。味は別として。

2月28日(土)今日は,毎年1回ラーレイで開かれる自動車ショウに行って来ました。1月にデトロイトでお披露目されていたフォルクスワーゲンのNewビートル(こちらの人は親しみを込めて「bug」とも呼ぶ)が見たくて行ったのですが,この車のまわりだけは,いつまでも人垣が絶えることがありませんでした。先代のビートルより多少サイズアップされているというものの,大きなアメリカ人がシートに座るとやっぱり狭そうです。

Bug
フォルクスワーゲン・ニュー・ビートル

 アメリカには軽自動車というクラス分けが無いためか,ローバーのミニなども含めて,あまり小さな車は見かけません。アメリカ人の体が大きいのはもちろん,道も広く,走行距離も長くなるので,一般的には大きな車の方がアメリカ人の好みのようです。過去一時的に,日本車に代表されるような,小さくて燃費の良いエコノミーカーが流行ったこともあるようですが,やっぱり窮屈なんでしょうね,石油の埋蔵量の推定値が増えたということも聞かないのに,道路を走る車は,自家用でもピックアップトラックやRV系ヴァンが幅を利かせているし,この自動車ショウでも目立っていました。

 日本の東京モーターショウの規模とは比べるべくもありませんが,ハンドルを握ってみたり,家族を後ろの座席に座らせたりして,自分達がその車のオーナーになったときのことを想像しながら,お客さんはみんな楽しそうで,会場はアットホームな雰囲気でした。

 夕食は,ラーレイのSeoul Houseで。ここに来る日本人は,みんな同じものを注文するようで「カ..」といっただけで,「カルビね。あと餃子でしょ?」と言われ,特に異論もないので,そのままそれをオーダーしました。出てきたのは骨付きカルビで,しっかりタレに漬け込まれてあって,美味。日本人には,やっぱり韓国料理の焼き肉の方がしっくりくるようです。おいしいステーキ屋を探すより,もっと早くここに来れば良かったなぁ。満足。ニンニクの量も半端ではないので,週末しか来られないかも。

 アメリカでも2月は28日までです(当たり前だって)。3月もどうぞお楽しみに。


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1ドル当たりの円相場:月中平均 126.00円

月中最高値 122.83円( 12日)

月中最安値 129.00円( 23日)

日本銀行国際局の資料より


リンク

乾電池の呼び方の違い:http://www.duracellusa.com/Info/BatteryInfo/Big5/index.html
リトル東京:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/0001/84/57/
UNCの歯学部:http://www.dent.unc.edu/
OCIS:http://www.dent.unc.edu/admin/ocis/ocis.htm
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Netscape:http://home.netscape.com/
長野オリンピック:http://www.nagano.olympic.org/
CBSネットワーク:http://cbs.sportsline.com/u/olympics/nagano98/
日本人のオリンピック選手達:http://www.fanmail.olympic.ibm.com/homepage/eng/JP.html
Tostitos:http://www.tostitos.com/
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ノースカロライナ州立自然科学博物館:http://museums.mdmi.com/naturalsciences/
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ビートル:http://www1.newbeetle.de/e/home.htm
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