まわりのアメリカ 1月

 <12月(97年)> <まわりのアメリカ 目次> <2月> 

1月1日(木)けましておめでとうございます!本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。1月1日には,全米各地で優秀な大学チームによるフットボールゲームが行われます。すべて**ボウル (Bowl:お椀,競技場,転じて招待チームによるフットボールゲームのこと)という名前が付いていて,ローズ,オレンジ,コットン,ゲーター,シュガーなどがあります。ノースカロライナ大学も,今日はゲーターボウルに出場して,コーチが変わったのにもかかわらず,危なげない試合運びでバージニア工科大を下しました。これで昨年9月から始まったアメフトの全日程が終わったことになります。
 アメリカの大学には体育会にニックネームが付いています。UNCは,Tar Heelsですし,Duke大学はBlue Devils,UCLAは,Bruinsといった具合に,ニックネームとそれにちなんだキャラクターが決まっていて,愛校心を煽るようにできています。強いチームにはナイキのような大手の会社が用具やウェアなどを積極的にサポートしているようです。人気のあるスポーツの試合は大学にとっても重要な収入源になります。朝食は,お雑煮。夕食はオムライス。

1月2日(金)アメリカのお正月って,あっけないです。今日も出勤なので,今年の抱負など語ったりする余裕もありません。最近ここを読んだ方から,メールをいただくことが増えてきました。すごく嬉しいです。目次ページの空メールボタンでも構いませんので,メール下さい。返事は必ず書くようにしています。でも今日はどうやらこのページが置かれているサーバーがダウンしているようで,ここも見られなかったことと思います。ごめんなさい。

 さて,元旦から(お正月とか元旦という概念は,アメリカにはないのだけれど)ケーブルテレビのチャンネルが何故か増えました。ゴルフ,料理,ニュースとローカル天気予報などです。チャンネルが増えたのはいいのですが,どうもプログラムとチャンネルがまだ同期していないようで,しばらく今まで見えていた映画チャンネルが見られなくなってしまいました。未だにケーブルテレビの仕組みは,よくわかりませんが,日本じゃこんなこと起きないでしょう。
この地域担当のタイムワーナーケーブルという会社は,回線や料金のトラブルが絶えず,いい加減なことで有名らしく,ときどき新聞やテレビでも叩かれているのを見ます。ケーブルが嫌ならディレクTVのような衛星放送という選択も可能ですが,衛星放送を見る場合には,日本と同様アンテナとケーブルをつなぐ必要があります。アパートでは大家さんの許可もいるようです。衛星放送には,日本語のニュースプログラムもあるようですが,そこまでしなくてもインターネットが代替になるのと,こちらの一般的なサービスの質の低さにも慣れてきたので,それほど魅力を感じません。クリスマスツリーは今日しまいました。夕食は,35で中華バイキング。
 
1月3日(土)今日は子供を連れてLife and Science博物館に行ってきました。行くまでは高をくくっていたのですが,意外と広くてしかも見るところがいっぱいあります。対象としては小学生くらいの子供に,ちょうど良さそうです。外には小動物園とプレイグラウンド,50人乗りくらいのちゃんと走る機関車(ELLERBEE CREEK RAILWAY)が,建物の中には,科学,気象,地理,宇宙,人体などについて身近に体験できる,シンプルだけれど興味を引く展示が,一日で見きれないほどあります。
 日本では最近こういった博物館に行く機会がなかったのですが,こういうのが日本にもあれば,毎月でも子供を連れて行きたいほどです。ここまで書くと自分が一番楽しんでいたのがバレてしまいますね。楽しく学ばせるというのは,アメリカ人の特許かもしれません。夕食は,三色丼。
 
1月4日(日)穏やかな暖かい一日でした。クリスマスツリーの生木が道ばたにちらほらと捨てられています。リサイクル業者が引き取りに来るそうです。リサイクルといっても細かく刻んだチップにして,公園に敷き詰めるくらいでしょう。なんだかもったいない気がします。クリスマスツリー畑というのは,どのくらいの広さでどんなサイクルで木を植えたり切ったりしているのか,見たいものです。
 リサイクルといえば,アメリカは世界で最もエネルギーを消費している国です。日本は4位でアメリカはその4倍を消費し,もちろんCo2の排出量もアメリカは世界一です。アメリカ人は,それほどリサイクルに関しては熱心ではないし,ゴミは焼却せずに大きな穴を掘って埋めているだけだと聞きました。土地が余っているのはいいけど,いつかツケが来るよ,きっと。
 アメリカでのコンピュータとインターネット環境について,今まで感じたことやちょっとしたヒントなどをまとめてみました。今日の夕食は,ちょっと秘密。日本でもそろそろ仕事始めですね。
 
1月5日(月)今週からこちらの職場も通常通りです。娘が最近日本語の他に英語らしきものをしゃべるようになりました。もちろんまだ2歳になったばかりですから日本語だってろくに話せませんが,明らかに日本語ではないアクセントと発音の言葉を,彼女なりに操っているようです。英語もどきと日本語もどきが,まるでスィッチがあるかのように変わるのが面白いので,ときどきからかって話し相手になっています。
 たとえば日本語で「今日はどこ行ったの?」と聞くと「公園,...行った」などと答えて,たどたどしく話を続けたところを,こちらが急に英語で話しかけると"Yes, I think...(以降意味不明)"などと自信たっぷりに話し始めたりします。テレビもそれほど見せているわけではないので,英語のインプットは,僕ら両親とプリスクールくらいしか考えられないのですが,たぶんこのまま4,5歳までこちらで暮らせば,バイリンギャル(死語)になってくれるのかもしれません。日本語は確実に遅れてしまうと思いますが。夕食は,AKAIHANAで天ぷらコンボとちらし寿司など。
 
1月6日(火)星新一さんが,亡くなりました。子供の頃から好きな作家だっただけに,ちょっとショックです。そういえば最近小説もあまり読まなくなりました。楽しみで読んでいるものといえば,グインサーガくらいです。
 こちらではメーカー側に有利な再販制度(再販売価格維持制度)がないので,小売店が好きなように価格を決められます。でも実際のところ,セールなどでは安くなりますが,通常は定価販売です。アメリカでは独占禁止法に触れるようなコントロールをしないでも十分うまくやっているような気がしますが,日本では無理なのでしょうか?。面白いのは雑誌で,年間契約すると70%引きくらいになったりします。どうなっているんでしょう,いったい。
 夕食は,スペシャルディナー。そういえば,三が日の間MacOS8はスタートアップ時に「謹賀新年」と表示していました。Macの正月の挨拶は,バージョンアップにともない廃止されたと聞いていたので,ちょっとほっとしました。しかも今日は,「Happy Birthday!」なんて表示も出ていました。なかなか凝ったことをしてくれます。でもこんなもん,いつ登録したんだろ?家族からプレゼントにDentist Watchをもらいました。
 
1月7日(水)学生たちも新しい学期が始まったので,今週から大学もにぎやかになりました。新学期なのでBack to schoolセールをまた見かけますが,夏休みが終わったときほどではありません。
 今日も本の話です。学生は普通,生協で教科書を買っているようですが,学期が終わりその科目の教科書が必要なくなったら,またその生協に買い取ってもらえます。便利です。生協の購買部では,古本教科書のスペースも,かなり広く取られています。あまりこちらの学生は,教科書に愛着がないのかもしれませんが,日本の学生のように教科書丸ごとコピーして平気な顔をしているよりは,だいぶましかもしれません。日本の専門書がめちゃくちゃに高い値段なのもこれを助長しているのは確かだし,こちらの学生が教科書コピーをしていないわけではないのですが。
UNCのスチューデントショップ
 そういえば,漢字は資源保護に一役買っていると思いませんか?英語のアルファベットって表音文字ですから,単語一つ表すにも数文字必要になりますが,日本語には表意文字である漢字がありますから,同じ意味の文章なら,アルファベット表記に比べて最大1.5倍くらいはコンパクトになるような気がします。また,日本語で書かれた文章は漢字が意味を表すので,字面を追っているだけでも理解しやすいものです。日本の文庫本に比べてペーパーバックがぶ厚いのは,紙の質だけじゃなくてアルファベットのせいもあると思うのですが,どうでしょう?夕食は,和風ミートローフなど。
 
1月8日(木)東京では大雪だそうですが,こちらではエルニーニョの仕業か,妙にじめじめした天気が続いています。
 今更ですが,アメリカのレストランやカフェテリアでは,出される量が日本と比べてかなり多めです。でもこれはアメリカ人たちに合わせた平均的な量なのかというとそうでもなくて,よく見ると彼らもけっこう残しています。残してどうするかというと,プラスティック容器に入れてもらって持ち帰るのです。僕らも残すと「持って帰るか?」と必ず聞かれます。出された食事は残さないようにしつけられて育ったので,全部食べないと気が済まない(笑)のですが,さすがにアメリカでは無理です。食べ切れません。
 こちらでは自分たちの食べ残しは持って帰るのが礼儀のような気がして,食べられなかった分は持ち帰るようにしていますが,すごく美味しいものでない限り,その後また食べる気にはなりません。たくさん出てくるからといって,いい気になって食べていると,どこに行くにも車で移動することもあって,運動不足とカロリーオーバーで確実に太ります。これって車社会の一番身近な弊害でもあると思います。こちらに来てから気をつけては,いるのですが,体重の増加は避けられませんでした。半年かかって変わってきた食を含めた生活習慣を,あと半年で元に戻せるでしょうか。夕食は,自家製タコス。
 
1月9日(金)最近日本でも出てきたようですが,お店のレジのエクスプレス・レーン(Express Lane)は便利です。こちらのひとは,一週間分の買い物をまとめてするので,品物を入れるためのお店のショッピングカートはたくさん入れられるように深く大きく,さらに乳児も寝かせて乗せられるようなオプションシートまで付いたタイプもあるほどです。で,山ほどのアイテムを持った人達は,レジで精算するときにいちいち小切手を書いたりしているし,レジうちの店員が,値段がわからなくてどっかに行って戻ってこなかったりするので,進むのがのろいこと,のろいこと。ほんのちょっとの買い物でこの列に並ばなくてはいけないのは,とても苦痛です。
 そこで,エクスプレス・レーンの登場。店によって違いますが,品物の数が10〜15個以下で現金かカードで払う人のみが,この列に並ぶことができます。日本だと小切手を扱うスーパーなどないし,アメリカに比べて列の進みも早いので,なかなか普及しないのかもしれません。でも日本でもももっと一般的になると便利なんだけどなぁと思う僕は,アメリカ人に比べたら,ものすごくせっかちなんでしょうね。夕食は,アスパラガスとゆで卵のキャセロール。
 
1月10日(土)ここから約370km北のワシントンでも桜が咲いてしまうほどの陽気も今週までとのこと。そろそろノースカロライナにも寒さが戻ってきたようです。
 ご存じのように,アメリカでは温度を通常,華氏(F)で表します。摂氏(C)=(F-32)×5/9という公式(関係)があるのですが,来て半年以上になるのに,いまだにF表示には慣れません。0度Cが32度F,10度Cが50度F,20度が68度F,30度Cが86度Fというのだけは覚えておいて,あとはC=(F-30)×1/2と勝手に公式をアレンジして適当に調整すると,体感温度とそれほど誤差が無くなります。こちらの研究室にいる人達は,実験では摂氏を使い,日常生活では華氏をと,ちゃんと切り替えて使えるようです。
 その他にもアメリカでは,慣れない度量衡の単位がいっぱいでてきて単位換算に悩まされます。例えば長さは,インチ,フィート,ヤード,マイル,重さはオンス(oz),ポンド(lb),容量は,ガロン,クォート,広さはエーカーなどです。ヤード・ポンド法を使っていた他の国はとっくに国際単位系に移行しているのに,アメリカだけは国際単位系をメインで使う気は全くないようです。これって立派な貿易障壁だと思うのですが,経済的に優位にある国はわがままが通るようです。
 夕食は,Thai Palaceでタイ料理を食べました。思っていたよりだいぶマイルドで日本人好みの味付けだったので,また行こうと思います。
1月11日(日)今日は,唯一まだ行ったことの無かった大型モールCary Towne Centerに行ってみました。巨大なクリスマスツリーが,まだまわりに幕を張られたままおいてありました。
 あるCD屋に入ったらどうもアルファベット順に並べてなくて,すごく探しにくかったのですが,よくよく眺めてみると,シンガーはラストネームのアルファベット順,グループ名はそのままアルファベット順で置かれていることに気がつきました。なんでこんな置き方するのかなぁ。日本のものもあるかなぁとJapaneseのところも見たのですが,日本の童謡のようなものが2,3枚置かれているだけでした。うーん,ドリカムは契約はしたものの,こちらでのCDデビューはまだだったか!早とちり。
 で,代わりにチャペルヒル出身のBEN FOLDS FIVEのCD"WHAT EVER AND EVER AMEN"を買って帰りました。ロックというにはギターが無く,でもピアノがそのぶんドライブしていて,とても気持ちよく聴けました。もう一年近く前のアルバムなので,13ドルでした。円安でもまだ安いかな。夕食は,明太子スパゲティ。
 
1月12日(月)昨年末より年始にかけて,日本からたくさん年賀状をいただきました。ありがとうございます。年明けからちょっときつい実験が入っていたので,まだ返事を書けないでいます。ごめんなさい(ここを更新する時間はあるんだろ?というつっこみは,なしね)。
 ちょうどいいので(なにがだ?),今日は日本からの郵便の話にします。年賀状をいただいた人の中には,わざわざお年玉つき年賀葉書を封筒(日本からの封書は110円)に入れて送って下さった人もいました。ちょっと特殊な郵便に思えるかもしれませんが,アメリカまでの料金に足りない分の切手を葉書に貼れば普通に届きます。年賀葉書なら+20円の70円でよいようです。そういえば,今年はもう平成10年だったんですね。僕の頭の中には,寅年と1998年しか思い浮かばず,元号はまでは出てきませんでした。
 日本からアメリカに葉書を送る場合には,前(8月14日)にも書きましたが,バーコードを書き込まれたり,バーコードシールをバシバシ貼られて悲惨なことになります。シールが貼られるかどうかは,どうやら余白の幅と色によるようです。白い余白が端から1cm程あいていれば野暮なシールが貼られず,バーコードのプリントですむようです。裏面全面写真の年賀葉書などは,ほぼ全滅でした。夕食は,スペアリブとザワークラウトのビール煮込み,アーティーチョークのチーズリゾットなど。<続く>
 
1月13日(火)アメリカ8カ月目に突入。今日からESLも始まりました。
 さて今日も,昨日の日本からの郵便の話の続きです。日本から小包を送る手段は,おおざっぱに分けると航空便,船便,SAL便があります。SAL便は,海を渡る部分だけ航空便扱いになり,その後の陸路が船便扱いになるという航空便と船便の中間のような送り方です。航空便だと,早いときは3,4日でアメリカに着きますが,SAL便だと1週間で着くこともあれば,1カ月以上かかることもあり,急ぐ場合はあまり当てにならない分,航空便に比べて安価な郵送方法です。どうやらSAL便は,宛先方面に向かう荷物がある程度たまらないと届かないような仕組みになっているようです。
 他の地域のことはわかりませんが,いまのところチャペルヒルへの郵便物が,遅れることはあっても届かなかったというトラブルは,わが家ではないようです。アメリカ郵政省は,思ったよりしっかりしているのかも。ちなみに"SAL"の"S"は,surface(地上,船舶便),"AL"は,air-lifted(航空便),両方一緒にして"SAL"便と呼ぶようです。でも,日本のように雪による郵便の遅配ぐらいではニュースにもなりません。このあたりは実にのんびりしています。夕食は,豚肉の蒸し焼き林檎ソース。
 
1月14日(水)大雪の日の対応について,学内e-mailでお知らせが来てました。いまのところ暖冬のようですが,そろそろこちらも寒さが厳しくなるのでしょうか。
 メールといえば,大学のアメフトのシーズンは終わったので,今度は「バスケのチケットを譲って」なんてメールがいつも回ってきますが,SPAMでもない限り,学生も教官,職員も必ずメールを見ているという環境はとても便利です。アメリカにいてインターネットを使えないとしたら,明らかに損です。でも日本のすべての大学がこうなるのには,たぶん後10年かかると思います(もしこれ以上の技術の進歩がないとして)。全く使われることのない大学職員のメールアドレスは日本にいくつあることでしょう?
 さて今回のデトロイトの自動車ショーNew Beetleが出ました。コンセプトモデルは,1994年頃からあって,いつ市販モデルとして発表されるのか気になっていたのですが,実にいい形をしています。一目で欲しくなってしまいました。日本では旧モデルのカブトムシをほとんど見かけなくなってしまいましたが,こちらではまだ現役で頑張っているのをよく見かけます。夕食は,ビーフストロガノフとトム・ヤン・グン・スープ。
 
1月15日(木)アメリカでは,初対面の時に相手の目を見(eye-contact)ながら握手するのが礼儀です。この握手が意外とやっかいです。まず日本人がやりがちなのは,「握手」をしながら「おじぎ」をしてしまうこと。これかなり変です。
 次に難しいのが「握手」の握力の加減。特に日本人の女性は,指の先だけで相手の手を触るような握手は嫌がられるので,思いっきり握ったほうがいいです。また男性の場合は,弱い握り方は自信のなさのあらわれととられるので,職場での握手は特に気を付けましょう。むこうもむこうで,これでもかというくらい強く握ってこられて,たじろぐことがあります。僕も未だに最適な握力の強さというものがわからないでいます。
 そうそう,相手と話すときの距離もいくぶん日本よりも近めのほうが普通なようです。「おじぎ」をしたら頭がぶつかる位の距離がいいかもしれません。今日の日記はなんだかワンポイントレッスンみたいにですね。夕食は小エビのフリッターなど。
 
1月16日(金)今日の昼間はものすごい雷雨でした。そのせいかテレビの映りがひどくなってしまいましたが,夜になっても一向に直りません。テレビに関してはサービスが悪いのはわかっているので,しばらく様子を見ることにします。
 さて,最近便利に使っているものに,缶詰のパンがあります。Pillsburyという会社のものがポピュラーで,中にそのまま食べられる状態のパンが入っているわけではありませんが,ビスケット,ブレッドスティック,クロワッサン,,シナモンロール,ピザパンなどの生地が缶に入って冷蔵状態で販売されています。生地には切れ目も入っているので,そのままオーブンに入れて15分ほどで焼き立てのパンが食べられます。ちょっと油っぽいかも知れませんが,ちょっと工夫して,ウィンナーにパン生地を巻き付けて焼いたりすると,けっこういけます。日本でも一時期流行ったパン焼き機よりは,だいぶ手軽です。夕食は,キャロットミートソーススパゲッティなど。
 
1月17日(土)〜1月19日(月)Williamsburg特別編へ。Snow line

1月19日(月)今日はノーベル平和賞受賞者でもある故キング牧師の誕生日で全国的にお休み。連休を利用して17日〜19日まで,バージニア州のウィリアムスバーグという町へ観光に行ってきました。

 帰り道では,チャペルヒルに近づくほど,道に白いものが残っているのが目立つようになりました。雪です。どうやら今日の朝からかなり降っていたようです。北のバージニア州から帰ってきたのに南のノースカロライナの方がさらに寒かったのは,なんだか変な感じです。雪が溶けないまま夜になってしまったので,明日の朝は気を付けないといけません。
Snowmanアメリカの雪だるまは鼻が高い。
 アメリカのフリーウェイを走っていると,所々にトラックの重量測定所(Weigh Station)が設けられてるのを見かけます。荷物を積んだトラックは必ずここで検量しなければいけないことになっているようです。日本もこのくらいチェックを厳しくすれば,重量オーバーによる事故を未然に防ぐこともできると思うのですが,日本では難しいのでしょうか?
 夕食は,鳥と野菜の炒めものと炒飯。帰ったら部屋が冷え切っていて,なかなか快適な温度まで戻るのに時間がかかります。映りの悪くなったケーブルテレビは,しばらくチューナーのコンセントを抜いていたので,直ったようです。
 
1月20日(火)この辺のアパートでは,部屋の壁のどこかに温度設定の目盛の付いた小さな箱が一個くっついていて,冬も夏もこれで全ての部屋の温度をコントロールするのが一般的です。コントローラーには,50〜90゜F(10〜32゜C)まで5゜F刻みでしかも一つ一つが太いアバウトな目盛が付いています。
 自分の設定したい温度にもっていくのには意外と時間がかかるし,使っている部屋以外も温められたり冷やされたりするのは無駄に思えます。最近はもちろん暖房モードですが,あまり続けて運転するとかなり乾燥してきて湿度が45%以下になると,鼻の粘膜まで乾いているのがわかるようになります。テレビでも乾燥によるかゆみを止める薬のCMが増えてきたようです。日本にもこんな塗り薬売っていましたっけ?
 こちらの冬には,湿度の高いことに慣れている日本人にとって,加湿器は必需品です。水もガンガン飲んで,部屋では加湿器を使って,内と外から水分が逃げるのを防がないといけません。
 夕食は,ベーコンとマッシュルームのキッシュなど。トライアングルエリアの生活に必要な銀行やお金の知識についてまとめてみました。
 
1月21日(水)大昔(約20年前)に初めてアメリカを旅行したとき,添乗員に「日本人はすぐ謝る癖がついていますが,アメリカではむやみに謝らないように。謝ると言うことは自分が悪いと認めることだから,訴えられたときに不利になるよ。」と脅かされたことを今でも覚えています。たしかにアメリカが訴訟社会であることは現在でも間違いないし,交通事故の際などはこれを実践しないと不利になるのは変わっていないようです。
 でもアメリカ人が"I'm sorry"と言うのも,思ったよりよく聞こえてきます。例えば出会い頭に人とぶつかりそうになったときなどは"Excuse me"だと思っていたら,"I'm sorry"もよく使われるし,かえって"Excuse me"の方が「邪魔だから,そこどいてよ!」という強い調子で使われることもあって面食らうこともあります。特に大きな問題につながりそうもないときは,"I'm sorry"って謝っちゃった方が,日本人としても気楽です。夕食は,チキンディバンなど。
 
1月22日(木)こちらでは,ドアの出入りの時に,全然面識のない人でもドアを開けて自分が通るのを待ってくれることがよくあります。これは相手が男性でもやってくれるので,レディファーストともあまり関係ありません。特に子連れでベビーカーを使っている時や荷物が多い場合などは,ドアの近くに人がいれば,ほぼ確実にドアを開けてくれます。
 最近は僕も気をつけているのですが,やってみると実はこれ,自分の立ち位置がけっこう難しいのです。アメリカのドアは,外から入るときは手前に「引き」,中から出るときは「押す」のが基本(8月8日参照)なので,自分が外にいて,中から出てくる人を待つ場合は,そのまま外で,ドアの外側のノブをつかみながら待ちます。これはまぁ簡単です。
 自分が中にいて外から入ってくる人を待つ場合は,ドアの内側で待たずに,入ってくる人の邪魔にならないような位置まですばやく進んで,やはり外側のドアノブかドアをつかんでおいて,中へ人を通します。内側で待とうとすると,ドアは外側に向けて開くのに,内側から蝶番の中心部に近いところで押さえないといけなくなります。アメリカのドアは重いのでこれはちょっとつらいものがあります。
 また誰かと二人で歩いていているときにも,ドアを開けて先に通す時ための若干のテクニックが必要になりますが,これはまだ修得できていません。「Thanks!(ありがと)」 と「No problem(なんのこれしき)」の挨拶は,いつでも気持ちのよいものです。夕食はマーボー豆腐と炊き込みご飯など。
 
1月23日(金)こちらの大学にいると「キャンプアウト」という言葉を,ときどき聞きます。これは野外キャンプのことではなくて,大学バスケットボールやアメフトのホームでの試合のチケットを手に入れるために,学生が夜の間ずっと決められた場所に集まっていることを指します。もちろんこんな冬にもチケットが手に入りにくいビッグゲームはあって,ある程度の学生分の席は確保されているものの,すべての学生の分はないので,そのプラチナシートをめぐってキャンプアウトが行われます。
 いわゆるアウトドアのキャンプではありませんが,文字通りキャンプ用品を揃えて,寒さに備える必要があります。またキャンプアウトすればチケットが手に入るわけではなくて,キャンプアウトすることが抽選に参加する意志表示になるので,夜中に点呼があったりして,その場所にいないと抽選の権利を放棄したとみなされるそうです。なかなか厳しいですね。
 UNCも,隣町のダーラムにあるDuke大学もNational Collegiate Athletic Association (全米大学競技協会;NCAA)のランキングで最高位と評価されているAtlantic Coast Conference(ACC)リーグに属しているので,このリーグでの試合は全米でも注目されるものとなっています。
 現在シーズン中のバスケットボールのリーグでは,Duke大学が1位,UNCが2位で,バスケットボールの話題は日常会話の必須アイテムとなるほど盛り上がっています。学生も職員もみんな自分の大学を熱狂的に応援しているので,町に出かけるときは場所を選ばないとヘタにDukeの悪口など言えません。今日は,そのUNC対DukeのチケットのためのキャンプアウトがUNCで行われているようです。夕食は,Tandoor Indian Restaurantで,カレーなど。
 
1月24日(土)こちらにきてから髪の毛を切りに行くのは2回目です。前回(11月16日)と同じダーラムのリージェンシープラザにある男女兼用のスーパーカットに行きました。前回とは違う人だったのですが,やっぱり人によって出来に差があるのはしかたないし,日本でも気に入ったように切ってもらえるよう,言葉で説明するのはけっこう難しいのだから,アメリカでそれを期待するのは無理ってもんでしょう。たぶん。いや,そこまでいうほど,たいした頭でもないのですが。今日もクーポンを使って8ドル。やっぱり今日もシャツの中に毛が入り込んで,チクチク気になりました。
 帰りに,前から妙にゆっくりとパトカーが向かって来るなぁと思ったらお葬式の列でした。こちらではパトカーが先導するんですね。チャペルヒル周辺ではあまり見ることのないリムジンが何台も続き,霊柩車も立派なものでした。夕食はBandido'sでタコスやブリトーなど。
 
1月25日(日)今日はスーパーサンデーです。NFL(National Football League)の王座決定戦,第32回スーパーボウルデンバー・ブロンコスグリーンベイ・パッカーズの試合がカリフォルニア州サンディエゴで行われます。チャペルヒルのスーパーマーケットでもスーパーボウルテレビ観戦用スナックセットを売り出していて,全米の人がテレビにかじりつく日です。
 夕方に用があってショッピングモールへ行ったのですが,休みのお店があったり,人出もいつもよりも少なく感じました。僕は特にひいきのチームがあるわけではないのですが,ブロンコスの方がやや平均年齢が高いのと,スーパーボウルに5回出場経験があるにも関わらず,まだ勝ち星がないことなどから,心情的にブロンコスを応援してあげたくなります。
 ゲームが始まる前には,現在不倫スキャンダルで火だるまのクリントン大統領のスーパーボウルへのメッセージが例年通り放送されましたが,さすがになんだか白々しく聞こえました。サンディエゴには海軍基地があるのでF-18ホーネットが連隊デモ飛行をするは,前座にビーチボーイズは出るは,最初からお祭り騒ぎです。試合内容も最後の瞬間まで手に汗握るシーソーゲームが繰り広げられ,アメリカに来てから今まで見た中でも最高の試合だったように思います。
 結果はブロンコスが31対24で逃げ切り,悲願を達成しました。ブロンコスの司令塔,クオーターバックのジョン・エルウェイ(37歳)の笑顔がとても印象的でした。日本にいた時は,アメリカンフットボールのルールさえろくに知らなかったのに,だいぶ楽しめるようになりました。夕食は,アーティーチョークのポテトチーズオーグラタン。
 
1月26日(月)UNCのキャンパスを歩いていると見かけたことのある顔にときどき会います。でもそれがどこで会ったことことのある顔なのか,記憶力の悪い僕にはとっさには思い出せません(このサイトだって,せっかくのアメリカ生活を忘れないために書き始めたくらいですから)。で,2,3日経って初めて,「あ,あれはマカロニグリル(仮名)にいたウェイターだ!」とか「Futon Cornerにいた店員さんだ」と思い出すのですが,けっこうチャペルヒル周辺でアルバイトしている学生さんって多いのかもしれません。
 アメリカのレストランでは,テーブル毎に担当が決まっているので,何か頼みたいときなど,自分の担当の人が現れるのを待たないといけません。広いお店だと延々と待ち続けることになりますが,そういう時はさすがに他の人に頼みます。
 チップという習慣があるからなのでしょうが,日本のレストランように通りかかった店員の誰にでも頼める方が気楽です。最後に支払いをする時も,勘定書に「レジで払え」と書いてない限り,テーブルで支払うのが決まりなので,担当の店員を待たなければならず,ちょっと面倒です。もうだいぶ慣れたけど。"waiter"っていうけど,待つのはお客のほうかも。
 夕食は,リブアイステーキ。アメリカ人は極端にfat(脂肪)を嫌うため,スーパーなどで脂ののった肉を手に入れるのはなかなか難しいようです。この肉なら,まぁまともです。
 
1月27日(火)テレビを見ていると,大抵深夜ですが,ときどき日本や日本人の出てくる映画をやっていることがあります。昨日も豊川悦司が準主役のジャパニーズマフィア役で出ている"No Way Back(邦題「逃走遊戯」)"をやっていました。日本語の台詞をしゃべるところもあって,そこはさすがに英語で字幕キャプション(アメリカ人は,サブタイトルと言う)がついていました。その前は永瀬正敏が主役の"Cold Fever"というのも放送されていました。
 日本でも有名な俳優が出ているような映画ならまだいいのですが,ちょっとオリエンタルな雰囲気を出すためだけにアジア系の無名俳優を使っているB級映画などでは,日本人の空手家という設定の筈なのに,中国語をしゃべっていて,字幕に英語訳も表示されず"Japanese"とだけ出ていたりします。このいい加減さは,日本だったら許されないところでしょうが,アメリカ人の一般的な日本語の知識は,この程度なのだと思えば気にもなりません。夕食は,ラザニア。
 いつかそうなるだろうなと思っていましたが,全然手を入れていなかった「HAMACHI!のまわり」Topページのカウンターが,いつのまにか「まわりのアメリカ」に追い越されてました。もちろんブックマークは,どこにつけていただいても構いません。ご愛顧ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
 
1月28日(水)こちらの信号では赤信号でも車が来なければ,右折できますが,車が来なくなるのを今か今かと待っていると,いつのまにか赤信号が青に変わっていて,後の車にクラクションを鳴らされることがたまにあるので,信号のあるところでは「待つ」と決めたら,信号だけを見ている方がいいかもしれません。
 ただ,チャペルヒルの人達の運転マナーは一般的にはとてもよく,みんな余裕のある運転をするので,多少後ろの車を待たせる位なら大丈夫です。進路変更の場合も,日本のように意地悪をしてわざと入れてくれないなんてことは,あまりありません。日本でペーパードライバーだった人も,ここならそれほど心配しないで運転できると思います。(運転しないわけにいかないのも確かですが。)
 また面白いのは,みんなそれほど制限速度は守っていないのに,STOPの標識のある所では,どの車も必ずいったん止まることです。「必ず」です。これには感心しました。夕食は,白身魚のソテー・レモンソースがけ,ひじきご飯など。
 
1月29日(木)ここノースカロライナ州は,実はアメリカ有数の陶器生産地です。もともとノースカロライナの大地では,アメリカ先住民(インディアンとはもう呼ばない)時代から良い粘土が取れることで知られており,独立戦争の頃には,ヨーロッパからもたくさんの陶芸家が開拓民として渡米しました。プラスティックなど無い頃のことですから,彼らは,食物の保存や水差しなどの生活用品を始めとし,たくさんの作品を作っていたそうです。
 美術品としての要素が高いものは,アメリカ人の大好きな「歴史」というファクターも加わってずいぶんと珍重されるようになり,今ではノースカロライナ州には,100を越える窯業所があり,トライアングルエリアだけでも100以上の陶器関連のショップやギャラリーがあるようです。こちらに来てからしばしば"pottery"という言葉を聞いたり,見かけたりするようになったのは,こんな訳だったのです。夕食はポトフなど。
 
1月30日(金)こちらの駐車場はどこも広いので,日本のようにバックで駐車する車はほとんどありません。頭からズドンと入れて,それでおしまいです。それでも枠をはみ出したり,斜めに止まっている車もあったりして,車社会といっても,みんながみんな運転が上手なわけではありません(運転技術ではなくて,単に気にしてないだけかもしれない)。
 アメリカが車社会と言われるのは,人口密度が低く,歩いて用が済ませるような場所が近くにないため,車がないと暮らしていけない仕組みになっているだけです。それで,どこの国よりもガソリンを大量に消費せざるを得ないわけです。日本よりもガソリンの価格が3〜4倍安い(現在レギュラーガソリンは,1リットルあたり30円ほど)といっても,何かするために消費される燃料の量はアメリカの方が多くなるので,ガソリン代だけで考えると,僕たちが東京で暮らしていた頃と比べて,かえって高くなっています。夕食は,El Rodeo Mexican Restaurantで,ブリトーやタコスのコンビネーションなど。
 
1月31日(土)今日は午後から買い物にでかけました。子供のおもちゃなども気をつけて見ているのですが,面白いのは,アメリカのおもちゃのほとんどが中国製で,しかもけっこうよくできていることです。やっぱりアメリカで作ると高くなるし品質のコントロールができないからだと,こちらにいる中国人が言っていますが,アメリカの監督下でないと中国人達もまだ良い製品を作ることができないことも事実だそうです。
 また洋服などでも,ジンバブエ,ドミニカ,チリ,イスラエル製と印刷されたタグがついていて,これらの商品は,日本ではまず見ることも買うこともありません。10年ぐらい昔は,アメリカでもMade in Japanがまだたくさん売られていたので,お土産を買うときに日本製をつかまないように気をつけた記憶があるのですが,最近は,日本の人件費も高くなり,日本製はだんだん高級品にシフトしているので,土産物では注意する必要もなくなったようです。
 Made in USAを誇りにして,アメリカ製品を買おうと呼びかける広告をときどき見かけますが,大量生産されたものに関しては,今も昔もMade in USAを見つけることが難しいのは,あまり変わっていないようです。人件費や材料費の安い国が見つからなくなったら,アメリカや日本の物価は高騰するのでしょうね。きっと。夕食は,鳥キムチなど。

2月>へ 

Mailboxメールはこちら

1ドル当たりの円相場:月中平均 129.45円

月中最高値 124.20円( 26日)

月中最安値 134.45円( 7日)

日本銀行国際局の資料より


リンク

体育会のニックネーム:http://www.ncaa.org/champs/i_nicknames.html
タイムワーナーケーブル:http://twc-nc.com/
Life and Science博物館:http://RTPnet.org/~ncmls/ncmls.html
AKAIHANA:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/2010/24/76/
 
再販制度:http://riaj.japan-music.or.jp/index/sai.htm
(再販売価格維持制度):http://www.jftc.go.jp/guidline/dtgl/2-1.htm
MacOS8:http://macos.apple.co.jp/macos/macos8/index.html
Dentist Watch:http://www.akteo.com/DEN01CVG.GIF
教科書の古本:http://www.store.unc.edu/buyback/
 
Thai Palace:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/0001/35/15/
Cary Towne Center:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/2010/04/27/
ドリカム:http://msap.j-plaza.or.jp/ARTIST/DREAMS/DCTPG1.HTML
BEN FOLDS FIVE:http://www.epiccenter.com/EpicCenter/Benfoldsite/index.qry?artistid=274
アメリカ郵政省:http://www.usps.gov/
デトロイトの自動車ショー:http://carpoint.msn.com/Autoshow98
ビートル:http://www1.newbeetle.de/e/home.htm
Pillsbury:http://www.pillsbury.com/main/brands/fridge.html
NCAA:http://www.ncaa.org/
ACC:http://www.theacc.com/
Tandoor Indian Restaurant:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/2010/37/78/
Bandido's:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/0003/12/34/cs1.html
NFL:http://www.nfl.com/
スーパーボウル:http://www.nfl.com/superbowl/
デンバー・ブロンコス:http://www.denverbroncos.com/
グリーンベイ・パッカーズ:http://www.packers.com/
豊川悦司:http://www.saison.co.jp/ticket/MOVIEGUIDE/kinejun/docs/bn/1996/96-6/6-1/toyokawa.html
"No Way Back":http://us.imdb.com/M/title-exact?No+Way+Back+(1996)+(TV)
永瀬正敏:http://www.magazine.co.jp/features/movies/coldFever/naga.html
"Cold Fever":http://www.magazine.co.jp/features/movies/coldFever/home.html
ノースカロライナの陶器:http://www.cclay.com/
El Rodeo Mexican Restaurant:http://www.citysearch11.com/E/V/RDUNC/1000/17/43/